図書出版

花乱社

『詩集 第二の沈黙』恭二郎(桑野恭行)著

■本体1200円+税/四六判/88頁/並製
■ISBN978-4-911429-30-3 C0092
■2026.10刊


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言葉が尽きたあとに訪れる『第二の沈黙』─
耳をすまさなければ気づかないほどの,かすかな振動。
記憶と風景,失われていくものの気配を見つめて,
時間の中で変わりゆくものと,言葉のあとに残る静けさを編む。

* * *

「私は沈黙には二つあると考えています。
 言葉にされる前の第一の沈黙。そして言葉が尽きたあとに訪れる第二の沈黙。
 詩は声に出され、第一の沈黙を破ります。けれど、その声が消えたあとに
 残る静寂。その静寂こそが私の考える『第二の沈黙』です。
 詩を朗読することでその静寂に浸る時間を楽しんでいただければ幸いです。」(あとがきより/恭二郎)


目次

まえがき
[序詩]失くしてしまった詩のために
第一章 風景─世界はまだ外側にある
第二章 砂と雨─すべては流れ、やがて消えてゆく
第三章 沈黙─内側の扉が開く
第四章 異常─現実の空洞化
第五章 風化─すべての後に残るもの
[終詩]角の向こうに
あとがき


本文より

[序詩]
失くしてしまった詩のために

僕は名も知れぬ湖の
ほとりにたたずみ
青い吐息を流す

湖面を覆う細波は
過ぎ去った日々のよう
 
あの頃、僕は乾いた机に向かい
ページを裏返しペンを走らせていた

光に曝すことを拒み
ただ自分のために
書き綴ってきた文字がこぼれ
水面に拡がる波紋を目で追いかけた

しかしインクは掠れ、文字は縮む

ノートに印された瞬間から
僕の元を離れて行く悲しみ

これからも
失くしてしまった詩のために
僕は冷たい湖水に足を浸し
消えかけた波紋へ青い吐息を流す


【著者紹介】 恭二郎(桑野恭行)

若い頃より詩作を続け,記憶や風景,失われていくものの気配を見つめながら,言葉を綴ってきた。
『第二の沈黙』は,かつて書かれた詩篇を現在の眼差しで見つめ直し,時間の中で変わりゆくものと,言葉のあとに残る静けさを一冊に編み直した詩集である。

 

 

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