『維新秘話・福岡:志士たちが駆けた道』浦辺 登 著
■本体1800円+税/A5判/200ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-15-5 C0021
■書評・紹介:「読売新聞」2020.10.3、「西日本新聞」2021.2.11
幕末・維新の事跡を福岡県内に尋ね歩き,多くの秘話・史跡を紹介。
勤皇派・佐幕派ともに有為な人物が数多落命した福岡の幕末・維新。要衝にあり諸国の志士が往来したこの地を舞台に、埋もれた史実を掘り起こし、明治維新の全体像を捉えなおす。
★「読売新聞 」福岡版連載の「維新秘話福岡」に増補加筆。待望の単行本化!
【目次】
はじめに
福岡県全域図
〈筑前〉
福岡藩の成立と幕末・維新概要
●太宰府市
薩摩藩定宿・松屋/光蓮寺/太宰府天満宮
●筑紫野市
二日市温泉・三條実美歌碑/二日市温泉・三條西季知歌碑
月形洗蔵幽閉の地/筑紫神社・尊王烈士碑/長崎街道・山家宿
●飯塚市
筑前茜染之碑
●朝倉市
秋月目鏡橋
●福岡市
福岡藩精錬所跡碑/櫛田神社/萬行寺/天福寺跡・加藤司書公歌碑
節信院/入定寺/石堂川の関所跡/水茶屋・常盤館跡碑
石蔵屋・石蔵卯平/明光寺/箱崎・旧御茶屋跡之碑/志賀島
須崎公園・須崎台場跡/煖エ屋平右衛門の家/安国寺/西郷南洲翁隠家乃跡碑
野村望東尼の平尾山荘/長栄寺/西公園・平野國臣像/鳥飼八幡宮
平野神社・國臣の歌碑/能古島/玄界島/小呂島
●糸島市
姫島・野村望東尼御堂/櫻井神社
●糟屋郡
相島
●福津市
宮地嶽神社
●宗像市
五卿西遷之遺跡碑/街道の駅 赤馬館/早川勇顕彰碑
新撰組・立川主税の生地/筑前大島
●鞍手郡
伊藤常足翁旧宅・古物神社
●中間市
月形潔生誕記念之碑
●北九州市
黒崎宿・岡田宮/黒崎宿・春日神社/加藤司書の腰板
黒崎宿・桜屋跡/黒崎宿・五卿上陸地
〈筑後〉
久留米藩/柳川藩の成立と幕末・維新概要
●久留米市
水天宮・真木和泉の銅像/久留米城跡・篠山神社/田中久重生誕地碑
遍照院/五卿が登った高良山
●筑後市
水田天満宮・山梔窩
●柳川市
柳川城址/彰義隊・上原仙之助の故郷
●小郡市
医師・高松凌雲生誕地/薩摩街道松崎宿・油屋
●うきは市
新撰組・篠原泰之進の生地
〈豊前〉
小倉藩の成立と幕末・維新概要
●北九州市
九州の玄関口・常盤橋/小倉城/田野浦
●京都郡
甲塚墓地
●田川郡
英彦山と筑前勤皇党
「維新秘話・福岡」関連略年表
参考文献
人名索引
【本文より】
本書は、平成二十九年(二〇一七)六月から平成三十年(二〇一八)十二月まで、読売新聞福岡県版に連載した「維新秘話福岡」に増補加筆訂正したものである。
明治維新史といえば、薩摩、長州、土佐、肥前を中心にする歴史書を読んでおけば理解できる。福岡県に限定しての維新の話など、多少はあるにしても、そんなに多くないのでは、と疑念を抱かれた方がいたのも確かだった。
今でこそ、「維新の策源地・太宰府」という言葉が定着したが、あの学問の神様・太宰府天満宮と明治維新とがスムースにつながらないという話はよく耳にした。さほど、明治維新に対し、関心が低いのが福岡県だった。
けれども、読み進んでいただければ分かると思うが、なかなかどうして、福岡県に遺る明治維新の話は、従来の維新史には無いスリルに満ちた話が多い。定説を覆すのではないかとさえ思える話、意外な話も多い。
身近に、これほどの歴史があり、それが日本の歴史の一角を占めていることを知っていただければという思いでいっぱいである。
(「はじめに」より抜粋)
【著者紹介】浦辺 登(うらべ・のぼる)
昭和31(1956)年,福岡県筑紫野市生まれ。福岡大学ドイツ語学科卒。現在日本の近代史を中心に研究している。著書に『太宰府天満宮の定遠館─遠の朝廷から日清戦争まで』,『霊園から見た近代日本』,『東京の片隅からみた近代日本』,『アジア独立と東京五輪─「ガネホ」とアジア主義』,『玄洋社とは何者か』,『勝海舟から始まる近代日本』(以上,弦書房),共著に『権藤成卿の君民共治論』(展転社)がある。