『五木歳時記』小林正明写真集
■本体2500円+税/大スキラ判(230×250ミリ)/108頁/上製
■ISBN978-4-905327-31-8 C0072
■日本図書館協会選定図書
■著者既刊『土と生きる:川辺川ダム水没予定地に暮らし続けた夫婦』
■各紙に紹介されました。
「朝日新聞」大阪版 2.14/「人吉新聞」2.18/「毎日新聞」西部版 3.1/「朝日新聞」西部版 3.4/「熊本日日新聞」3.16/「出版ニュース」4月号/「中日新聞」4.20/「北海道新聞」5.4
子守唄の里として知られる熊本県五木村では、四季を通し農作業や山仕事に根差した多彩な行事・祭りが行われてきた。
春祈祷、神楽、十五夜の綱引き、堂祭り……脈々たる村の営みを12年にわたり記録した貴重な民俗写真誌。モノクロームの世界に浮かび上がる、鮮やかな村の記憶。珠玉の84点。
【掲載写真】
春祈祷/端午の節句の風習/堂祭り/ちんちんだぶ
梶原の太鼓踊り/精霊送り/十五夜の綱引き/御就願(ごりゅうがん)
神社のお祭り/五木の子守唄祭/宮籠もり、堂籠もり/正月にまつわる風習
山の神 *それぞれ詳細な解説付き
「五木民俗写真誌」の誕生 湯川洋司(山口大学教授)
五木村といえば「五木の子守唄」の村として有名であったが、今では川辺川ダムの村という方が分かりが早いかもしれない。そして、このことが五木村の暮らしの変化を端的に物語っているように思える。(中略)
ここに収められた写真の多くはこの数年ほどの間に撮られたものであり、いわば現在の五木村を記録したものである。この記録化を可能にしたのは小林氏の撮影行に向けたたゆまぬ努力によるが、またなによりも人々が行事を止めることなく続けてきたからである。この持続の力は、誰かに見せるとか見てもらうとかいうのではなく、集落の暮らしのために欠かせないとの思いで続けてきたところに生まれたものだろう。写真の一枚一枚に血の通ったぬくもりが感じられるのは、このことによるものと思う。その点で、『五木歳時記』に収められた写真はまぎれもなく五木村の民俗を写し撮ったものであり、『五木歳時記』は五木村に初めて誕生した「民俗写真誌」であると思う。そのことを私は心から喜びたい。
【著者紹介】 小林正明(こばやし・まさあき)
1961年、横浜市に生まれる。1986年、千葉大学大学院工学研究科修了。
1986年、朝日新聞写真部に入社。現在、大阪本社勤務。
写真集:『五木の詩』海鳥社,2006年