図書出版

花乱社

『殉義の星と輝かん:百年生きる「解放歌」と柴田啓蔵』
 森山沾一・和智俊幸・横田 司・坂田美穂 著

公益社団法人福岡県人権研究所(柴田啓蔵プロジェクト)発行
■本体1600円+税/A5判/172ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-51-3 C0036
■2022年5月1日発行

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《全国水平社・全九州水平社創立百周年記念出版》

「あの夜空の星の輝きのように
我々は正義に殉じた光り輝く一生を送ろう」

被差別部落解放運動関係者に歌い継がれている「解放歌」は,福岡県出身で,全九州水平社設立の主導者でもあった柴田啓蔵(1901〜88年)により作詞された。「水平社宣言」からも刺激と影響を受け,部落解放・人間解放の願いが込められた「解放歌」の成立過程と数奇な運命をたどる柴田の生涯を,当時の時代と社会的背景の中で明らかにする。



【目次】
序 文
第一章 「解放歌」に込めた思い:柴田啓蔵自身による文章
第二章 柴田啓蔵の生活史
第三章 柴田啓蔵作詞「解放歌」の移り変わり
    :柴田資料・「水平新聞」・「水平月報」・「解放新聞」などを中心として
第四章 全国・全九州水平社、「解放歌」の授業・啓発教材
第五章 柴田啓蔵の年譜・事蹟目録
付録資料/編集後記


【序文より抜粋】 
 九州の福岡県・筑豊で生を受け、その地に眠った柴田啓蔵。彼の名は、「解放歌」(水平歌)作詞者として被差別部落解放運動関係者に知られる。そしてこの歌は、今も全国の部落解放運動や革命歌で歌い続けられている。さらに、柴田は百年前の一九二二(大正十一)年三月三日、全国水平社創立(京都府岡崎公会堂)を新聞報道で知り、その一年後、九州での全九州水平社設立を主導した人物としても知られる。全国水平社は関西や関東の被差別部落出身者たちによって結成され、燎原の火の如く、中国・四国や九州にも広がっていく。そして九州・福岡は運動を推進する多くのリーダーを産んだ。
 戦前・全国水平社の時代、そして戦後・民主主義の時代、差別にあらがい、おのれの解放を実現させることがいかに困難であるかを、柴田啓蔵の生き様は私たちに教えてくれる。
 「解放歌」の曲は、当時東京大学新人会の影響で広がっていた第一高等学校の「ああ玉杯に花受けて」。歌詞は当時二十一歳の若き柴田がそれまでの知的教養による渾身の力を集中させ、一年間かけ、凝縮・作詞したものである。  
 
 
 
 

【著者紹介】森山沾一(もりやま・せんいち)

福岡県田川市石炭・歴史博物館館長,(公社)福岡県人権研究所前理事長(現執行理事),福岡県立大学名誉教授,福岡県日中友好協会会長・全国理事,教育学博士。1946年,中国(瀋陽市)に生まれ,日田高等学校から九州大学教育学部大学院(1972年修了)。座右の銘は「咸宜博愛解放闊達(かんぎはくあいかいほうかったつ)」。

和智俊幸(わち・としゆき)

嘉麻市立碓井小学校教諭。柳川高等学校から島根大学教育学部(1984年卒業)。前嘉麻市人権・同和教育研究協議会事務局長(2016〜19年度)。上山田・目尾・立岩・稲築東・稲築西小学校を経験。部落解放運動に寄り添い,子ども,仲間と花,野菜,生き物を育てる愉しさを堪能する毎日。

横田 司(よこた・つかさ)

嘉麻市立稲築東小学校教諭。豊田西高等学校から福岡教育大学(1983年卒業)。元嘉麻市人権・同和教育研究協議会学校同和教育部事務局員(2014〜19年)。教職に就かなければ,部落問題,同和教育に出会うことも学びもなかったことを痛感,また感謝。人間解放のために自分は何をするのか,が課題。

坂田美穂(さかた・みほ)

大牟田市立駛馬小学校教諭。三池高等学校から福岡教育大学(1981年卒業)。大学で部落問題に出会い,故・川向秀武研究室で学び,解放子ども会活動(博多区)に関わる。福岡県教組人権教育部会専門委員。福岡教育大学授業実践講師経験。一貫して小学校で学級担任をし,厳しい生活を抱えた子どもたちに関わり続けている。
同和教育のすばらしさ,とりわけ部落史学習を次世代に繋ぐことを課題とする。