『九州文学 580号;2022年秋・冬号』九州文学同人会編・発行
■本体1000円+税/A5判/231ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-67-4 C9095
■2022.11刊
■九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』580号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出し本誌もリニューアル。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
吐 息[林 恭子]
【詩】
我が子羽ぐくめ 天の鶴群[金子秀俊]
海峡にて[柴田康弘]
79年目の虹[麻田春太]
心細い日が続く[秋山喜文]
ポケットに位牌[松野弘子]
拾う人[石武^由美]
蝶[林 恭子]
【俳句】
乱れ萩[中園 倫]
今朝の春[中園 倫]
幻住庵[麻田春庵]
嚏悴む[麻田春庵]
【短歌】
鬼無里の郷[中村重義]
【随想】
アタシはボク[屋代彰子]
敗れて見えるもの[岸川瑞恵]
【掌編】
ファミリーマーク[箱嶌八郎]
草の中から日が昇る[今給黎靖子]
韓国岳[木村 咲]
【小説】
いしのうへ[後編][木澤 千]
もう一つの世界[一][緑川すゞ子]
カジュエロ町のサントス[V][永井竜造]
馬に乗って花を見る[白水百合子]
秋 扇[大島凛吾]
【評論】
戦争について[城戸祐介]
【コラム】「フェートン」号事件/おみくじ
■編集委員会便り
579号への時評・季評抜粋
編集後記 他
巻頭詩
吐 息[林 恭子]
おぼろな月が中空で
やわらな合図を送っている
寝釈迦の阿蘇は
眠りを誘う
月を送り出して
嶺は
一仕事終り
安らな憩い
おぼろな月の合図に
安心を受け取ったのだ
地震は
人々をいたぶった
悪夢に
傷つきすぎて
吐息
草木は項垂れ
待つ
明らけき月
九州文学同人会
『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。
問合せ先 e-meil 2kyubundojinkai@gmaik.com
九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/