図書出版

花乱社

『九州文学 583号:2023年秋・冬号』九州文学同人会編・発行

 

■本体1000円+税/A5判/296ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-81-0 C9095
■2023.11刊
■九州文学HP  https://kyushu-bungaku.com/

火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』583号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出し本誌もリニューアル。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。





目次

【巻頭詩】
乾いた街[麻田春太]

【詩】
欠 伸 僕の小学校時代 [高森 保]
5月の[石武^由美]
咲い噺[金子秀俊]
失意の日のために[柴田康弘]
斑模様[麻田春太]
私のお父ちゃん その二 尻尾[松野弘子]
彼はもう死んでしまった[秋山喜文]
柄/声[林 恭子]
つばさ[本田雅子]
十二月より[梶原佑心]

【俳句】
さやけしき秋/ペルソナの冬[麻田春庵]
露の音/初日さす[中園 倫]

【短歌】
『この天の虹』撮影異聞[中村重義]

【随想】
昔むかしのはなし[木村 咲]
万事塞翁が馬[中園 倫]
万金丹[園田明男]
科学エッセイ 科学のことば 小説『献灯使』のこころみ[屋代彰子]

【小説】
一千万分の一の涙[由比和子]
観音堂と弓ケ浜[木澤 千]
もう一つの世界[三][緑川すゞ子]
源重郎世事手控 袖の下[野見山悠紀彦]
可惜身搬送記[宮川行志]
ケブラモーラ 「カジュエロ町のサントス」外伝[永井竜造]
やまぶきの花[今給黎靖子]
朽葉色の鍵[溝口志保]

【評論】
遺 書 新しい人体のためのテーゼ[城戸祐介 287

【コラム】
留学生余話(10)日本語学校の入国サポートの話/(11)私のアンテナ
(12)ネパールのイエスは?ベトナムの言い訳文化とは?/(13)留学生の万引き
(14)留学生の交通事故の話/(15)学業優秀な卒業生の話

編集委員会便り
582号への時評・季評抜粋
編集後記 他



巻頭詩

 乾いた街[麻田春太]
 
青白い光が
板硝子に屈射し
高層ビルの土煙が
舞い上がる
そこに 私は居る
杖なしでは歩けない 私が居る
すべてワンタッチの世に
遅れを取り戻すことなど
この乾いた街では
無駄なことだ
橙色に乾いた風が
靡いて
赤い光が街を
覆いつくすまで
私は
乾いた街の片隅に
佇んでいた


九州文学同人会

『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。

問合せ先 e-meil 2kyubundojinkai@gmaik.com

九州文学HP  https://kyushu-bungaku.com/