『九州文学 584号:2024年春号』九州文学同人会編・発行
■本体1000円+税/A5判/200ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-89-6 C9095
■2024.3刊
■九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』584号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出し本誌もリニューアル。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
春の水[梶原佑心]
【詩】
枯れ葉とわたし[松野弘子]
川の向こうへ[麻田春太]
秋[林 恭子]
稲から杉へ[高森 保]
別れのブルース[金子秀俊]
犬[歯本田雅子]
雨[梶原佑心]
【俳句】
老燦々[麻田春庵]
万華鏡[中園 倫]
【短歌】
デイ・ケア体験記[中村重義]
【川柳】
ぼ け[高森 保]
【随想】
科学エッセイ:明治の科学リテラシー 福澤諭吉と村井弦斎[屋代彰子]
蛍の案内請うて紡ぐ縁[中園 倫]
留学生フォンの話[白水百合子]
【掌編】
ちくしのの牧野博士[今給黎靖子]
戻り梅雨[岸川瑞恵]
【小説】
卒 業[深水由美子]
もう一つの世界[四][緑川すゞ子]
源重郎世事手控 (一)罠[野見山悠紀彦]
南阿蘇鉄道記[塚元秀樹]
ある村の奮闘記 西南戦争における知られざる日々[内田ゆうこ]
俺たちの平和台[興膳克彦]
雨上がりの朝に[木島丈雄]
【コラム】
桜桃忌/留学生余話(16)失踪した留学生の話/(17)校長の独り言
編集委員会便り
582号、583号への時評・季評抜粋
編集後記 他
巻頭詩
春の水 [梶原佑心]
あなたの眸は
明るく澄んだ薄ごおり
瞳には 山がある
白く粧う
しずかな一尺八寸山(みおうやま)がある
さようなら
口にした時 水の春
その流れには─
いつか 命が産まれよう
僕の市街は展がろう
錆びた鉄橋その上で
たそがれて
黄昏れている場合じゃないと
石なげて 波紋波紋 波紋
上からも下からも
だれかに観られているようで
もうじきに 予報雨が
すべての命を 二人の今を
そっと慰めてくれよう
山も永永 笑えよう
九州文学同人会
『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。
問合せ先 e-meil 2kyubundojinkai@gmaik.com
九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/