『九州文学 586号:2024年秋・冬号』九州文学同人会編・発行
■本体1000円+税/A5判/264ぺージ/並製
■ISBN978-4-911429-00-6 C9095
■2024.11刊
■九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、80年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』586号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
霜月[本田雅子]
【詩】
詩
夜の海へ[柴田康弘]
老花の路[麻田春太]
ふうちゃんの毎日[松野弘子]
『ドクトル・ジヴァゴ』に寄せて[金子秀俊]
教会にて[石武^由美]
偏西風[林 恭子]
太平洋戦争・この禍根[高森 保]
忘れたくなかった三つの場面[梶原佑心]
【俳句】
竹の春/冬ざれ[麻田春庵]
ぬくめ酒/初仕舞[中園 倫]
【川柳】
もう卒寿[高森 保]
【随想】
戀でした[中園 倫]
鮎の夜釣り[田中義治]
【小説】
高森城合戦記[塚元秀樹]
源重郎世事手控 (二)蛇蝎[野見山悠紀彦]
昭和四十年代初め筑後川田園物語[由比和子]
水仙が咲く家[内田ゆうこ]
再 会[緑川すゞ子]
橋からの眺めU[森田繁昌]
兵隊さん好き[宮川行志]
ひこばえ[今給黎靖子]
善門地蔵[関屋弘治]
【コラム】留学生余話:(23)敏腕職員、子育ての話 その2/(24)寮の騒音/
(25)帰国のトラップスペース/(26)スタッフのバトル
編集委員会便り
582・583・585号への時評・季評抜粋
編集後記 他
巻頭詩
霜 月 [本田雅子]
あなたの誕生日は霜月の三十日
覚えやすくて今も忘れられない
寝たきりで話はできず
目も見えなかったけれど
耳もとで名前を呼ぶと
唇が ウン というように頷き
握った手をかすかに握り返した
十一月だった
この世のあなたとの時間にさよなら
この世のあなたとの思い出にさよなら
この世のあなたとの縁にさよなら
あなたの中の私にさよなら
いずれ訪れる
私がこの世から消える日に
私の中のあなたも消えるけれど
これからも霜月は
あなたを思い浮かべる月となる
九州文学同人会
『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。2020年7月より第8期始動,本誌をリニューアルした。
問合せ先 e-meil 2kyubundojinkai@gmaik.com
九州文学HP https://kyushu-bungaku.com/