『なかつ今昔こぼれ話』 近砂 敦 著
■企画:西日本新聞プロダクツ/発売:花乱社
■本体3300円+税/A5判/336頁/並製/オールカラー
■ISBN978-4-911429-16-7 C0021
■2025.10刊
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◎「西日本新聞」大分県版の大好評連載100話が本になりました!
温暖な気候と豊かな自然風土の中で培われてきた中津市の歴史。
福沢諭吉を始めとする多彩な先覚的人物像、中津祇園や鶴市花傘鉾祭他の伝統行事と芸能、名所・旧跡にまつわるエピソードなど、滋味深い文章と庶民目線で綴られた中津地方誌。
【推薦文=仲 浩氏/見延典子氏】
本文より
二〇一八年の初夏、西日本新聞社宇佐中津支局の記者さんから「中津地域の歴史や民俗などを幅広く紹介する歴史コラムの連載をしませんか」と声をかけられた。
以前から中津地方史を趣味で調べていて、中津を取り上げた本は中津独自の祭りの歴史、海と山の幸に恵まれた食文化など民俗文化の紹介が少なく、経済の発展について隣接する日田玖珠地域、福岡県京築地域や筑豊地方などとも深くつながりながら発展してきたことを広域的に考えなければ、個性のない、ただの九州の一地方都市の紹介となり、先人たちが育んできた文化がやがて画一的になり消滅するのではないかと考えていた。
記者さんとの話し合いで、中津に残された様々な痕跡を探し出し合いながら、あまり知られていない史実も交えて、新たな魅力や歴史・文化などを再発見することをメイン・テーマとし、独自な視点での「なかつ今昔こぼれ話」とする主題が決定した。
新聞連載を始めてみて、多くの取材対象者は好意的にたくさんの話をしてくれ、時には現地まで案内していただき感謝しています。お蔭で多面的に学ぶことができました。
「人はヒト・カネ・モノが交流し集うことに文化は生まれ発展する」、「人と人とのつながり、人と地域とのつながり、人と地域歴史のつながりが地域の発展に貢献する」の言葉を記してペンを置きます。(「あとがき」より抜粋)
【著者紹介】 近砂 敦(ちかすな・あつし)
1953年、駒沢大学卒業。大分県内の様々な歴史文化財の保護・指定・継承に携わる。2002年、共著・中津祇園歴史研究本『中津祇園』発行。2006年、特定非営利活動法人中津地方文化研究所設立に参加。2008年、中津型傘鉾の研究本『なかつ傘鉾』発行。中津市耶馬渓町桧原山にある檜原山正平寺を中心とした「桧原山の歴史と自然を守る会」に結成時から参加。2016年、『耶馬渓』を発行。2019年、頼山陽詩碑が再建され、「耶馬渓図巻記」を中心とした『頼山陽と耶馬渓』を編纂者として発行。2020年、中津市の民家で旧豊前国が描かれた「正保豊前国絵図写」を発見。現在、大分県立歴史博物館に寄贈保管されている。中津市在住。