図書出版

花乱社

『また「サランヘ」を歌おうね』山本友美著

 

■本体1800円+税/四六判/354頁/上製
■ISBN978-4-905327-33-2 C0095
■各紙に紹介されました。
「赤旗」10.5号 「毎日新聞」夕刊10.6 「西日本新聞」7.16 「読売聞新」7.12 「長崎新聞」7.8

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愛は生き抜いた記録のなかでこそ光る。
昭和45年、筥崎宮夏越祭の宵に友美が出会ったのは、在日韓国人二世・李卜之。周囲の反対を押し切って結婚、その後も続く根強い差別と偏見、そして帰化をめぐる葛藤。家族の中で互いに"異邦″を抱えて生きるとはどのようなことか──部落解放文学賞受賞作「父のなまえ」ほか、愛をめぐって綴られた鮮烈なる自己史。
【寄稿】
愛は生き抜いた記録のなかでこそ光る…金 時鐘(詩人)
山本友美さんとその作品…田島 栄(劇作家)
「国家百年の暗がり」の前で…松原新一(文芸評論家)〈特別収録〉

    【本文より】
    「ボクちゃん、帰化するのが嫌なの」
    私はさりげなく聞きました。
    「嫌とか、そんな問題ではないんだ。友美のように、日本人にはどうしてもわかってもらえない部分があるのさ」
    「そんなに突っぱねなくても」
    「友美に当たっているわけではないよ。日本の国の制度がね」
    「私だって日本人の一人よ。私に言われているみたい」
    「それは違うよ」
    「どうするの。父になんて言うの」
    私には卜之のこだわりが理解できません。
     ──籍を変えてもボクちゃんには変わりない。日本で生活していくのなら暮らしやすい道を選ぶ方が得策じゃないの。と、私は声に出しそうになります。(「父のなまえ」より抜粋)

    【目次】
    寄稿 愛は生き抜いた記録のなかでこそ光る。金時鐘
    T 父のなまえ
     父のなまえ/また「サランヘ」を歌おうね
    U 母の島
     セコイアのある家/母の島
    V ソウルの雪
     出会い/緋寒桜/マスクメロン/cross(十字架)
     タッタバラー/松原先生のこと/母はフィリピンに行く
     ソウルの雪/“ヒロリン”の光景/鎮痛剤/別れの情景
     シルエット/被災地へ
    寄稿 山本友美さんとその作品  田島 栄
    「国家百年の暗がり」の前で 松原新一


    【著者紹介】山本友美(やまもと・ともみ)

    1949年,長崎市生まれ。長崎県立長崎南高等学校在学中,文芸部に所属。1981年より松原新一氏主宰の「久留米文学教室」に入る。1994年より田島栄氏と親交を得て薫陶を受ける。同人誌『河床』編集・発行人。日本聖公会信徒。日本国際ギデオン協会会員。「父のなまえ」で第36回部落解放文学賞(記録文学部門)受賞。福岡県八女郡広川町在住。