『福岡地方史研究 第54号』福岡地方史研究会編・発行
■本体1500円+税/A5判/176頁/並製
■ISBN978-4-905327-61-5 C0021
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【巻頭言】重層する福岡(石瀧豊美)
【特集】東アジアの中の福岡・博多U
文化度朝鮮通信使と小倉藩主小笠原忠固:上使任命の背景と昇進運動(守友 隆)
戦時期の日本における朝鮮人労働者についての再検討
:世界遺産への登録で浮上した論点をめぐって(宮地英敏)
武田範之序論:天佑侠の位相(師岡司加幸)
七里恒順の排耶と中国語版キリスト教書籍(鷺山智英)
渡り陶工高原五郎七について(副島邦弘)
福岡藩相島通信使関連史跡調査の近年の成果
:享保四年七月二十四日大風破船・溺死を中心に(今村公亮)
【論文】
幕末久留米藩における田中久重の大砲製造(上)
:在来技術により造り上げられた施条後装砲(河本信雄)
【研究ノート】
上杉本洛中洛外図の成立について:佐々木哲の説の紹介と検討(寺崎幹洋)
福吉村全村学校と松本学(首藤卓茂)
局地戦闘機震電(J7W1)(煖エ愼二)
【研究余滴】
姫島紀行:島定番役宅を探す(有田和樹)
和算よみとき始め(後藤みどり)
【歴史随想】香椎宮の鶏石神社について(竹川克幸)
【郷土料理】筑前鐘崎の地域食ノオサバ(牛嶋英俊)
不破保氏のご逝去によせて(梅本真央)
熊本地震被災神社の復興を願って(安藤政明)
加藤司書・中野正剛慰霊祭への参加報告(浦辺 登)
第9回 金印シンポジウム報告(古賀偉郎)
本の紹介 『頭山満伝』を読む(師岡司加幸)
短信往来 (伊豆幸次/植田謙一/大野会美子/長谷川隆史/藤野辰夫/松浦宇哲/山下龍一)
●編集後記より:
「前号に引き続き〈東アジアの中の福岡・博多〉を特集した。今年はユネスコ関連で、〈東アジアの中の福岡〉を印象づける動きが二つあった。まず一月末、〈『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群〉の世界文化遺産への推薦書(正式版)がユネスコ本部へ提出された。...もう一つは、江戸時代に朝鮮王朝が日本に送った朝鮮通信使。同使節は最後の十二回目を除く毎回、筑前相島(糟屋郡新宮町)に寄港し福岡藩が迎えている。日韓両国に所在する関連資料が本年三月、「両国の歴史的経験に裏打ちされた平和的・知的遺産」として、平成二十九(二〇一七)年の登録を目指し日韓の推進団体合同でユネスコの世界記憶遺産に申請された。福岡県立図書館所蔵の黒田家文書の中から「朝鮮人来聘記」などが含まれている。かつて当研究会の古文書を読む会がこれを翻刻し『福岡藩朝鮮通信使記録』(全十三巻)として刊行した。朝鮮通信使が見直されようとしている今、翻刻が活用されれば幸いである。」(松)
【著者紹介】 福岡地方史研究会
福岡地方史研究会は、1962年の発足以来50年の歴史を持つ。研究テーマは地方史に限らず広く文化史・社会史・民俗学に及び、対象となる時代も原始・古代・中世・近世・近現代と各時代の研究者が所属。『福岡藩朝鮮通信使記録』が2001年2月福岡県文化賞を受賞。月1回定例研究会開催、年1冊会報(本誌)を発行する。
*福岡県立図書館の研修室で毎月1回の定例研究会(卓話発表)を開いています。学界と在野の交流によって,また会員相互の研鑽によって地方史研究の発展・深化を図ることを目的としています。どなたでもご参加いただけます。地方史研究に興味を持ち、研究を進める上で指針を得たい、史料の所在について情報を得たいという方、定例研究会その他に参加して継続して話を聞きたい方は、どなたでもふるってご参加ください。問合せは花乱社まで(092-781-755)