図書出版

花乱社

『伝えられた「日本」:地図にみる日本のすがたとその変遷〈西南学院大学博物館研究叢書〉』


■西南学院大学博物館発行
■本体1000円+税/B5判変型/56ページ /小口折並製本/オールカラー
■ISBN978-4-910038-28-5 C0020
■2020.12刊
■西南学院大学博物館研究叢書
 『異国と福岡:江戸時代における長崎警備と対外交流』2016年
 『島原半島の信仰と歴史:一揆とその後の松平氏治世』2017年
 『キリスト教の祈りと芸術:装飾写本から聖画像まで』2017年
 『明治日本とキリスト教:蒔かれた種』2019年
 『聖母の美:諸教会におけるマリア神学とその芸術的展開』2019年

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地図は文字よりも早く誕生したといわれ,正確な測量法に基づいて製作されるようになるまでは人々の世界観や宗教観を強く反映するとともに,目的に合わせてさまざまな種類のものが製作されていた。
マッパ・ムンディ(西洋中世の世界地図)から伊能図まで,国内外で描かれた地図を通して,地図に描かれた「日本」を紹介する。
【2020年度西南学院大学博物館特別展図録】


■もくじ
ご挨拶[西南学院大学博物館館長 宮崎克則]
 開催概要/凡例
第1部 世界から描かれた日本
 第1節 キリスト教と地図 
 【コラム】マッパ・ムンディ─西洋中世の世界地図[西南学院大学博物館学芸員 下園知弥]
 第2節 日本図の変遷 世界地図に描かれた日本
 【コラム】『武備志』に見る日本[西南学院大学博物館学芸調査員 早田 萌]
 第3節 伝えられた「ニッポン」 西洋のまなざし

第2部 日本人が描いた世界と日本
 第1節 日本図と世界図 江戸のベストセラー地図 
 第2節 海路と陸路 航海図と名所図会
 第3節 都市の風景 長崎への興味
 【コラム】伊能大図に描かれた福岡と『測量日記』[西南学院大学博物館学芸調査員 迫田ひなの]
 【コラム】シーボルト『1826年の江戸参府紀行』に描かれた長崎街道彼杵宿の風景[大野城心のふるさと館運営事業学芸員 鬼束芽依]
出品目録
論 考
 ヨーロッパで描かれた「日本図」の変遷[西南学院大学博物館館長 宮崎克則]
 マテオ・リッチと坤輿万国全図[西南学院大学博物館学芸調査員 早田 萌]
 名所として描かれた水城東門礎石 『筑前名所図会』の「鬼の硯石」をめぐって[大野城心のふるさと館運営事業学芸員 鬼束芽依]
参考文献


■「ご挨拶」より
 西南学院大学博物館では,西南学院の建学の精神であるキリスト教主義にもとづき,キリスト教文化に関する資料収集・調査研究・展示・教育普及活動をおこなっています。今回はこれまでに収集してきた資料の中から,地図や地図資料に関連する海図・絵図などに絞り展示を構成しました。
 正確な測量法に基づいて製作されるまでは,多くの地図は想像や伝聞した情報にもとづいて描かれていました。つまり,それらは当時の人々の世界観を表すものでもありました。ヨーロッパでは,キリスト教が普及するとキリスト教の世界観にもとづいた世界地図が製作されるようになり,やがて大航海時代になると,世界地図に日本が登場することとなります。一方日本では,仏教伝来以降,仏教の世界観を反映した地図や仏教僧が描いたといわれる地図が製作されました。しかしながら,キリスト教の訪れとともにヨーロッパの世界観・測量技術・地図が伝わり,世界地図や測量に基づいた正確な地図が作られるようになったのです。
 このたびの展覧会は,上記のような世界観の変化や地図に対する目的の変化を,地図や地図に関連する資料を通してみていきます。地図資料に描かれた「日本」のすがたが,どのように変化していったのか,地図を通してどのように人々に伝えられたのか。歴史の流れとともに「世界」と「日本」という二つの視点から迫っていきます。
 本展覧会に足を運んでいただいた皆様,本図録を手に取っていただいた皆様に,さまざまな視点から描かれた資料を愉しみながら,伝えられた「日本」のすがたの変化を学んでいただけましたら幸甚です。
 末筆ではございますが,本展覧会の開催にあたって,本学博物館の活動にご理解とご協力を賜りました関係各位に厚く御礼申し上げます。

 2020年12月23日    南学院大学博物館館長 宮崎克則 
 

■本文見本

 

 


 

 

 

 

 

 





【編者紹介】鬼束芽依(おにつか・めい)

1996年生まれ。現在,西南学院大学大学院国際文化研究科国際文化専攻博士前期課程在籍中。専門は日本考古学(近世,近代)・日本考古学史。2020年11月まで西南学院大学博物館学芸調査員。現在,大野城心のふるさと館運営事業学芸員。主な研究論文に「考古学の先駆者としての吉田雀巣庵─『尾張名古屋博物会目録』を通して」(『西南学院大学博物館研究紀要』第8号,2020年),訳著として,イサーク=ギリエッド・ヨーラム=ハイミー・ヴォイチェフ=マズリク著,鬼束芽依・山本恵梨・伊藤慎二共訳「ナチス絶滅収容所の発掘調査」(『西南学院大学国際文化論集』34巻2号,2020年)などがある。

【編者紹介】早田 萌 (はやた・もゆ)

1996年生まれ。現在,西南学院大学大学院国際文化研究科国際文化専攻博士前期課程在籍中。専門は古代中国史。特に『三国志』後期の司馬一族にまつわる人々の研究など。西南学院大学博物館学芸調査員。

【編者紹介】迫田ひなの (さこだ・ひなの)

1996年生まれ。現在,西南学院大学大学院国際文化研究科国際文化専攻博士前期課程在籍中。専門は日本近世史。特に近世朝鮮に存在した対馬藩の居留地・草梁倭館における交奸事件の研究など。西南学院大学博物館学芸調査員。