『ぼく色のレインボー』 仁井将貴作品集
■本体1800円+税/A4判変型横綴じ/72頁/並製
■ISBN978-4-905327-56-1 C0071
■コミュニケーション・アート・シリーズ3
■紹介されました。「西日本新聞」2016.4.14 「毎日新聞」2016.4.13
ダイナミックで、ロマンティックで、ユーモラス、その多彩かつ独創的な構図と色遣いには命の喜びが溢れている。躍動する精神を見事に示す仁井将貴の絵画世界。
障害とともに生きる人たちの創作活動とその可能性を伝えるアートシリーズ3。
【カバー絵】「ビッグ・ベン」2011
【目次】「気の置けないヒーロー」田上貴美子[工房まる]/「笑うスイカ」武田 楽[工房まる]/「愛に満ちあふれた作品」松澤佐和子[画家]/「子どもの可能性を信じて」松澤佐和子・仁井和恵対談
【本文より】
■松澤佐和子・仁井和恵対談「子どもの可能性を信じて」より
仁井:松澤造形教室に通うためだったらバスにも一人で乗る,と言うので,何度も乗り間違えたりしながらも練習して,バスの乗り方も覚え,公共の交通機関を一人で利用できるようになっていきました。
それに,骨密度を上げるための体力づくりにということもあって,できるだけ自分で歩くことを本人に勧めたのです。
今では一人でできることも増え,人に自分の気持ちを伝えたり,これからの自分の未来についても話をするようになり,母親の私が将来を心配せずに,サポートできるようになってきました。
松澤:私も,いわゆる絵の描き方などの技術的な方法を生徒さんたちに教えているようで,実は,本当のところは,技術ではない何かを,子どもたちにはつかんでほしいと思っているのです。
たとえば,地球上の生きとし生けるものの命のすばらしさを知ること,どんなに時間がかかっても,必ず作品を仕上げていくことで培われる自分をあきらめない力,少しずつの積み重ねですが,一心に物事を追究していくことで得られる達成感など。障害のあるなしにかかわらず,人として,自分以外の人を大切にすることも学んでほしいと思っています。
本当に楽しそうにのびのびと絵を描いている今の将貴君を見ていると,体の内側からの輝きを感じて,まぶしいくらいです。
■小社編集長日記より→制作現場から
【著者紹介】 仁井将貴(にい・まさき)
1988年,福岡市生まれ。出生時にダウン症・心臓病と診断される。2004年,筑後養護学校高等部入学。松澤造形教室に通い始める。2005年,高文連地区大会で特選。2009年,第一回個展。2010年,障害福祉サービス事業所「工房まる」(福岡市)に通所。第二回個展。2011年,第三回個展。イタリアのルッカにてコンテンポラリー・エイブルダンス「WArTER」公演。2012年,韓国釜山にて「日中韓障害者文化交流展」に出品。2013年,第四回個展。大野城市美術協会会員,コミュニケーション・アート会員
*左上から、ライオン アクリル/F15/2004年、天上の神様 アクリル/F8/2006年、似顔絵〜デヴィッド・ボウイ〜 色鉛筆/B4/2012年、博多にわか クレヨン/B4/2012年、おすし アクリル/B3/2013年、街の設計 アクリル/B4/2014年