『風の街・福岡デザイン史点描』 武田義明著
■本体1700円+税/四六判/320頁/並製
■ISBN978-4-905327-80-6 C0072
■書評:「毎日新聞」2017.12.13 「福岡県立図書館公報」2018.1 「REPRE」Vol.32 2018.2.26 「西日本新聞」2018.3.4 ほか
”福岡デザイン”─その歴史を初めてデッサンする。
商業都市として発展してきた街の姿を追うとともに、福岡のデザインが徐々に確立し活気づいていく姿を記録した、福岡デザイン史。
福岡のデザイナーの代表格、西島伊三雄(グラフィックデザイナー)・柏崎栄助(岩田屋及びNICデザイン顧問)・小池新二(九州芸術工科大学初代学長)の三氏の活動を結び、その後輩出された多くのデザイナーを紹介。
彼らの手掛けたモニュメントや像、モール、地下鉄、地域情報誌など、街で見かける様々なデザインを点描し、込められた哲学的なヴィジョンを探る。
【目次】
はしがき
序 風の街から
1・グラフィックデザイン史素描
2・見えない都市
3・福岡発! デジタル・デザイン革命
4・インテリアショップNIC
5・九州芸術工科大学
(1)小池新二と芸工大〜理念としての渾沌
(2)大阪万博と芸工大〜太陽の塔と渾沌
(3)アメリカ実験映画と芸工大
6・共生の街へ
7・ノート「交響する風景」
初出一覧/あとがき
【はしがきより】
デザインとは,道具や建築や情報などを介して,自然と人間と社会の間に「風」という「生命」の柔らかな循環を創出することであり,その目標は人々の幸福で楽しい生活の実現である。そこで本書では,特に西島伊三雄(グラフィックデザイナー)・柏崎栄助(岩田屋及びNICデザイン顧問)・小池新二(九州芸術工科大学初代学長)の三氏を結び,そこに広がる福岡のデザインの歴史的パースペクティブの輪郭を描くことを課題とした。さらに「生活」という原点に立ち,福岡のデザインを批評的に問うことがもう一つの課題でもあった。本書を通じ,福岡の歴史的パースペクティブを吹き渡るたくさんのデザイナーたちの風を捉えて“未来の風”へとつないでいくことができれば幸いである。
【著者紹介】 武田義明(たけだ・よしあき)
1949年,福岡市生博多区まれ。花ぞの保育園,御供所小学校,博多第一中学校,福岡高等学校,九州芸術工科大学画像設計学科卒業。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。ギャラリー風(和光堂)代表。福岡女学院大学非常勤講師。
所属=表象文化論学会,福岡文化連盟,アジア美術科連盟日本委員会,福岡市障がい児・者美術展実行委員会委員
著書=『野生のブルー』(芸術論集)花書院,2004年