『栗山大膳、黒田騒動その後』小野重喜著
■本体1700円+税/四六判/242頁/上製
■2014.12発行/2刷 2016.11発行
■ISBN978-4-905327-40-0 C0021
■各紙に紹介されました。「日経新聞」2015.2.4 「西日本新聞」2015.1.9
黒田如水(勘兵衛)に仕えた父・利安(善助)の後を継いだ福岡藩筆頭家老・栗山大膳は、2代藩主忠之との対立から「藩主に謀叛の意志あり」と幕府に公訴。将軍直裁により藩は取り潰しをまぬがれるも、大膳は盛岡南部藩預りとなる。捨て身の智略で福岡藩を救った家老の生涯を追い、その子孫の消息を初めて明らかにする。
【あとがきより】
今年は栗山大膳利章が死去して三六三年になる。史伝『栗山大膳』の名著を世に出した史論家福本日南をして言わしめた「筑前人士中三百年間の第一人者」がまた認識される時が来た。郷土の傑人と認識しながらも、どのような傑人なのか、何を学ぶべきかまで探る人は少ない。
本書を著すにあたって、小子は二つの観点に分けて書き綴った。
一点目は第一章から第四章までで、戦国時代を黒田藩の勇士とともに駆け抜けた父備後利安の実像と身命を賭けた大膳の究極の生きざまであり、二点目は、大膳の信念を引き継いだ一族子孫の消息とその生涯の一端の記録である。そこまで辿れば自ずから分かってくることがある。
【目次より】
凡例/序章
第一章 栗山備後利安・大膳の戦国時代
第二章 福岡黒田藩の時代
第三章 栗山大膳と黒田騒動
第四章 流謫その後
第五章 栗山家の子孫、その後
補記/参考文献/あとがき
【著者紹介】小野重喜(おの・しげき)
昭和12(1937)年,福岡県朝倉市に生まれる。北九州大学米英学科卒業。教師として郷土朝倉の地に勤める。教頭,校長を歴任後,教育長として教育行政に携わる。その間,甘木・朝倉広域圏総合教育センター次長,県中学校長会教育部長,県青少年育成県民会議理事など,学校教育・社会教育の振興活性化に努める。その後,地域に奉仕する傍ら,郷土における歴史上の人物などを中心とした文筆活動に専心する。短歌歴も長い。現在,朝倉市・郡退職中学校長会長。朝倉市在住。著書に『第一五代横綱梅ケ谷藤太郎詳伝』(海鳥社,2009年)他。