『革命家・源頼朝:隷属から「一所懸命」確立へ』岩山 治 著
■本体2000円+税/A5判/288頁/並製
■ISBN978-4-910038-53-7 C0021
■2022.8刊
■著者既刊:『「教育労働者」という生き方』
虚偽と腐敗に塗れた社会を土台から変えるために
鎌倉幕府の創設は、日本で唯一の、日本人による革命であった──。
源頼朝の歴史的業績と人物像を可能な限り史実に沿って描き、
さらには、源頼朝と頼朝を擁して立ち上がった坂東武者から
今の私たちが学ぶべき教訓を提示する。
【史伝小説】
目次
第一章 頼朝の流人生活
一 流人・源頼朝/二 頼朝の生い立ち/三 後白河法皇と平清盛
四 政子の縁談/五 育ちつつある若者たち/六 文 覚
七 身を隠したままの政子/八 以仁王の令旨
第二章 頼朝、起つ
一 頼朝に以仁王の令旨降る/二 伊豆国に吹き荒れる清盛嵐
三 家人集め/四 頼朝挙兵/ 五 石橋山の敗戦
第三章 鎌倉へ、鎌倉へ
一 政子説得に苦悩する頼朝/ 二 房総の国々をめざして
三 味方になる軍勢を求めて/四 鎌倉へ
第四章 義経との邂逅
一 富士川の合戦/二 義経参上
第五章 鎌倉幕府の基礎づくり
一 新府鎌倉の建設/二 佐竹攻撃と義経/三 「九郎、馬曳け!」
第六章 清盛一族との戦い
一 源(木曽)義仲/二 平清盛一族討伐
第七章 鎌倉幕府の創建
一 武家政権の基礎づくり/二 武家政権の樹立
終 章 頼朝の革命的業績 まとめにかえて
一 歴史小説に見る頼朝と義経/二 歴史学者の見る頼朝と義経
三 革命は、政治の延長線上にあるものではない!/四 頼朝や坂東武者に学ぶこと
源頼朝略年譜/皇室関係略系図・清和源氏関係略系図/
桓武平氏関係(北条氏を含む)略系図/参考文献
本文より
源頼朝と坂東武者は、日本の歴史を古代(奴隷制社会)から中世(封建制社会)へと飛躍させる扉を開きかつ確立した、日本史上で唯一の革命家(集団)である。また鎌倉幕府の創設(武家政権の樹立)は、日本人による唯一の革命の成就であった。それは歴史的語句にはなってはいないが、「武者革命」あるいは「武家革命」とでも呼ぶべき革命である。況や、「源平合戦」などではない。日本の歴史からありもしなかった、そして義経をヒーローにするためにでっち上げられた「源平合戦」などという概念とことばは日本史上から削除すべきであろう。
頼朝とともに起ち上がった梶原景時、三浦介義澄、和田義盛、千葉介常胤、土肥実平など坂東武者たちは、当時の農民とそれほど違わない田舎の地主あるいは農場主であったに過ぎない。その田舎者が「武者革命」を成し遂げたのである。土地をめぐって争っていた武者たちを坂東武者として束ねたのが頼朝である。
(「終章 頼朝の革命的業績」より抜粋)
【著者紹介】岩山 治(いわやま・おさむ)
1939年,韓国・釜山で生まれる。
1941年,2歳のとき,父の転職に伴い中国(中華民国安徽省蚌埠)に転居。
1944年,仕事のある父を中国に残し,家族とともに内地(福岡県)に帰還。
1962年,福岡学芸大学(現・福岡教育大学)中学課程(社会科)を卒業。福岡県内公立中学校に助教諭の身分で赴任。翌年,教諭として正式採用。
2000年,公立中学校教諭を定年(60歳)退職。
【著書】
『「教育労働者」という生き方─自分を守り子どもたちを守るために』(花乱社,2020年)
【編著書】(私家版)
『─敗戦・被爆70年そして新たな戦争の危機─今こそ「反戦平和教育」を!』
『生徒たちを愛して元気にしなやかに─「学級通信」・「学年通信」づくりで生徒・保護者・同僚たちなどとの豊かな対話を!─』
『教師は子どもたちに己を語ろう!』
『小・中学生に宿題なんか出さなくても』
『福岡都心部の校庭の四季』
*上記著書及び私家版著作(いずれも1冊税込1100円)をご購読下さる方は,小社までご連絡下さい。