『正義よ燃えよ:高杉晋作一人起つ』小佐々進介著
■本体2000円+税/四六判/352頁/上製
■ISBN978-4-905327-79-0 C0093
死すべきときに死に,生くべきときに生きる──。
八月十八日の政変で会津・薩摩に京都を追われ,禁門の変で「朝敵」とされた長州藩。揺れる藩論,疑念渦巻く人事,他藩の思惑。尊王攘夷の誠忠を尽くさんとする藩士たちは,次第に討幕へと傾き,沸騰する思いのままに起ち上がる。
そして高杉晋作は,龍の舞う如くに立ち回り,命を燃やす。
革命の激流を史実をもとに克明に追った歴史巨編。
[正義派とは……幕末長州藩内は改革派と保守派とに分かれ、改革派を「正義派」、幕府に恭順する保守派を「俗論派」と呼んだ。高杉晋作が命名した。]
【目次】
蹉跌
風雲
波乱
決起
龍舞
主要参考文献/後書き
【後書きより抜粋】
幕末の時代、長州では国の行く末を案じて、吉田松陰が一人起って国を変革していこうとした。不幸にして彼は若くして殺されてしまったが、彼には高杉晋作をはじめとして、彼の精神を受け継ぐ弟子たちがあった。彼らは師の心をわが心として、一人起って国を変革していこうとした。一人の人間の持てる力は、決して小さなものではない。これがこの小説の主題である。すなわち、一人の人間が起ちあがれば、国を、社会を、必ず変えていくことができる、というのがこの小説の主題である。
幕末の青年たちが考えた正義と、現代の人間の考える正義とは、その内容は異なろう。しかし、結局のところ、世界を平和にしていくには正義の人材を育てるしかない。そのためには、われわれは教育に希望を見出すしかないのではなかろうか。
【著者紹介】小佐々進介(おざさ・しんすけ)
1957年,長崎県に生まれる。著書に『吉田松陰の教育の方法』,『詩集 虹と旋律』(いずれも海鳥社)などがある。福岡市在住。