図書出版

花乱社

 書評『田舎日記/一写一心」

●2015年12月23日「朝日新聞」京築版
 エッセーと写真で「田舎日記」第二弾/行橋の男性2人共著、「表紙」もふたつ
 煩悩の数と同じ108話のエッセーと、108点の写真が一冊に見開きで交互に収められているユニークな本が出版された。タイトルは「田舎日記/一写一心」。文筆と写真をそれぞれ趣味とする行橋市内の男性2人の共著だ。本はどちら側も「表紙」。それぞれ目次が設けられ、写真はページを左へ、エッセーは右へ繰ることで読み進む体裁になっている。
 エッセーは行橋市の元教育部長、光畑浩治さん(69)=同市下稗田=が、写真は元郵便局長で全日写連会員の木村尚典さん(75)=同市西宮市4丁目=が担当した。光畑さんが 昨年、書家と共著で出版した「田舎日記・一文一筆」に次ぐシリーズ第2弾になる。
 みやこ町出身の木村さんは脳梗塞で倒れ、右手が思うようにならなくなった。師範の資格を持つ書道を断念する一方、リハビリも兼ねて好きだった写真に打ち込むようになった。
 「感動したものは何でも撮る」という木村さん。山でも海でも重いカメラと三脚を担ぎ、海外を含めて飛び回った。今年1月には75歳の記念に米国・アラスカに出かけ、零下40度の極寒の中での念願のオーロラ撮影に挑んだ。
 その際の写真のほか、撮影のための雑草刈りを含めて10回も通ったという英彦山のミツマタ、来年の「ゆくはしふるさとカレンダー」にも選ばれた「曙のあみ漁」など、この10年間に撮った中でもお気に入りの作品が収められている。
 光畑さんのエッセーは、郷土に根差した思いを基本にしながら、身近な日々の出来事や社会のあらゆる事象について、1話1千字ほどで書きつづった。「ノーベル賞」「原爆詩人」「巌流島の決闘を検証」「『イスラム教とは何か』を読む」「回文ってスゴイ世界だ」など、内容は多彩だ。
 木村さんは「光畑さんの優れた文章と共に印刷できて光栄です」。光畑さんは「残せることのありがたさを感じています」と話し、今度も俳句や水彩画などのコラボを検討中という。(久恒勇造)

 

●2015年12月23日「読売新聞」京築版
 随筆と写真各108作品紹介 行橋の友人2人共同出版
 行橋市の元教育部長、光畑浩治さん(69)(下稗田)が書いた随筆と、元郵便局長の木村尚典さん(75)(西宮市)が撮影した写真を一冊にまとめた本「田舎日記/一写一心」が出版された。随筆108作、写真108点を収めており、2人は「コツコツ書きためたり、撮りためたりした作品。多くの人に見てもらいたい」と話している。
 光畑さんは市の広報係を長く担当するなど文章を書く機会が多かった。2007年に定年退職後は地域のミニコミ誌などに寄稿している。木村さんは城井郵便局(みやこ町)の元局長。1999年に脳梗塞を発症し、不自由になった右手足のリハビリを兼ねて写真を始めた。中国、ベトナムなど海外にも撮影に出かけ、県展に6回、九州2科点に6回入選した。
 2人は1989年、みやこ町で行われていた地域興しのイベントを通じて知り合った。その後、光畑さんが木村さんの写真展に通うなど親交を深めていった。
 光畑さんは昨年、高校時代の同級生で書家の棚田看山さん(68)と協力し、書と随筆108作ずつを紹介した「田舎日記・一文一筆」を出版した。写真家とも一緒に出版したいと思い、木村さんが今年1月に75歳の節目を迎えたため、話をもちかけて実現した。
 本はA5判変型で240ページ。表裏とも表紙になっており、右から拓くと随筆集「田舎日記」、左からめくると写真集「一写一心」になっている。
 随筆の内容は時事問題から歴史、文学、スポーツ、郷土の偉人など多岐に及ぶ。光畑さんは「地域の高齢者に聞いた昔話や普段の生活で感じたことなどを自由に記した」と話す。木村さんは風景、動植物、祭りなど、この10年で撮った写真をカラーで紹介している。「写真集を出すことが夢だった。書籍の形で発表ができてうれしい」と喜ぶ。(阪東峻一)


●2015年12月22日「毎日新聞」京築版
 先人の生き方、郷土の風景豊かに
 アマチュアカメラマンの木村尚典さん(75)と数多くのエッセーを手がけている光畑浩治さん(69)=いずれも行橋市=が共著「田舎日記/一写一心」を発刊した。この10年間に木村さんが撮った108枚の写真と、光はたさんの直近の108編を収めており、郷土の風景や先人の生き方がくっきり浮かび上がる一冊だ。
 2人は25年以上の友人。木村さんは59歳の時、脳梗塞で倒れ、右手が自由に動かないため趣味の書道を諦め本格的にカメラを始めた。一瞬の美を捉える妙に見せられ、国内外に撮影旅行に出て、県展にも6回入賞した。
 福岡の祭りや北海道の大地など各地の風景を選び抜いて載せた。周防灘では自ら海に入って網を引く漁師の近くまで迫り、ミツマタの花が咲く英彦山では草刈りから始め現場に10回通った。どれも理想の瞬間が来るまで待ったことがわかる美しい構図だ。光畑さんに誘われ初出版に至った木村さんは「気持ちが入るほどよいものが撮れ、写真は面白い」と話す。
 旧行橋市職員の光畑さんは、全国紙の地方版や書店の会報誌の定期連載から近作を選んだ。昨年も書道家との共著を出しており今回は「田舎日記」シリーズの2作目となる。
 牛馬や観音像など数多くの像を制作したみやこ町の彫刻家・有松保、行橋市に移り住み英語絵本を読む会を設立した女性ら、有名無名の人物や事象を取り上げ、自らの思いをテンポよく1000字でまとめた。各地を取材で歩き古里には詳しい光畑さんだが「知らないことが本当に多い。これからもコツコツやってきた地域の人を取り上げ、思いを伝えていきたい」と話す。
 本は田舎日記が右開き、一写一心が左開きで両サイドが表紙となる珍しい装丁。(山本紀子)


●2015年12月17日「西日本新聞」京築版
 随筆と写真 心一つに合作本 20年来の交友、108作品ずつ
 元行橋市職員の光畑浩治さん(69)=同市下稗田=と、元城井郵便局(みやこ町犀川)局長、木村尚典さん(75)=同市西宮市4丁目=が随筆と写真を盛り込んだ「田舎日記/一写一心」を発行した。光畑さんがこれまで生活で感じたことをつづった随想108作を担当。木村さんは撮りためた108の風景写真などをまとめた。
 2人は約20年前からの知り合い。光畑さんはこれまで、芥川賞作家の鶴田知也など京築出身の偉人などについてのエッセーを執筆し、京築地方のミニコミ誌に発表。1994年には本紙北九州版で連載「京築の民話」を担当した。
 木村さんは16年前に脳梗塞を発症して、一時は右手足が動かなくなり、趣味の書道を断念。代わりにリハビリを兼ねて写真を撮り始めた。これまで九州二科展などの入賞に加え、今年1月に米アラスカ州でのオーロラ撮影に成功するなど精力的に活動している。
 木村さんの活動を知った光畑さんが2年前、木村さんに本の出版を持ちかけて実現した。
 本は右開きの表紙が「一写一心」、左開き表紙が「田舎日記」という形式で、写真と随筆が2ページごとに交互に掲載されている。光畑さんは「自分の思いを文字で残せてうれしい」。木村さんは「作品はこれまでの集大成。光畑さんの誘いがなければ作品を出版できなかった。ありがたい」と感謝を口にした。(佐伯浩之)