図書出版

花乱社

 書評『闘うナイチンゲール:貧困・疫病・因襲的社会の中で』

●「出版ニュース」2018.9月上旬号
 19世紀の英国で、近代看護確立のために生涯を捧げたナイチンゲールの足跡は闘いの連続であった。裕福な生家はナイチンゲールが看護の道に進むことに反対していたが、ナイチンゲールは祖母や乳母といった身近な人を一人で看護し、ついにクリミア戦争が始まると、戦場近くの英軍病院で看護婦人団長として働き、「ランプをもった白衣の天使」と称讃される。帰国後、陸軍病院では多くの兵士が衛生環境の不備で亡くなったことを世に示し、軍部に猛省を促した。著者は、こうした闘いの源泉が信仰であったこと、生き方は孤高だが支援する仲間がいたことを、その生涯を辿りながら明らかにする。