『赤間茶屋「あ三五」そば歳時記』磯部久生著
■本体2500円+税/A5変型横綴じ/224頁/並製
■ISBN978-4-910038-55-1 C0077
■2022.7発行
本書は、「日本そば新聞」に平成16年6月から平成24年12月までに連載した百話を、二十四節気にそってまとめたものです。
季節のものに彩られたそば懐石、さらしなと野菜の和え物、そば切り、そば粒と野菜・海産物の和え物、種物、そばの肴、そばがきと甘味などなど。
お品書きのあれこれや、季節の膳、日本の風俗、愛すべきお客様たちとのやりとりなど、「あ三五」の台所を垣間見ながらお楽しみいただけます。
目次
【春】
立春:節分そば/芝海老と小柱の天ぬき/旧暦正月・東風解凍/蕗のとう切り
雨水:芽かぶ・わかめ/早春の膳/旧暦二月・草木萌動/節供そば/雛そば
啓蟄:野草/蓬切り/つわ、土筆、蓬
春分:わかめ切り/引っ越しそば/芹切りそば
清明:筍、木の芽/旧暦三月・菜虫化蝶
穀雨:玉子焼き/晩春の膳/蕎麦民間療法
【夏】
立夏:揚げそば/端午の節供そば/独活の掻き揚げ/棟上げそば
小満:独活と抹茶/木の芽切り/拘杞のそば飯/旧暦四月・霜泊出笛/そばの山菜サラダ/旧暦五月・蚕起食桑
芒種:梅干し/紫蘇切り/おろしそば/縁結びそば/向暑の膳
夏至:そばもやし/旧暦六月・腐草為蛍/そばずし
小暑:天ぷらそば/オクラ納豆そば/そば粒とろろ
大暑:穴子/土用そば/そば懐石とベジタリアン/旧暦七月・温風至/精進料理
【秋】
立秋:茗荷、オクラ/とろろそば/供養そば/そば豆腐
処暑:そば粒/胡麻切り/暮夏の膳
白露:本しめじ/重陽の節供そば/そば焼き/金ぷら/陰暦八月・涼風至
秋分:おかめそば/爽涼の膳/月見そば
寒露:田舎そば/振舞そば/鴨せいろ/陰暦九月・鴻鴈来/ねぎ味噌
霜降:銀杏/新そば/秋祭り・神饌そば料理その一/秋祭り・神饌そば料理その二/秋祭り・神饌そば料理その三
ワインとそば/秋冷の膳/そば湯
【冬】
立冬:御膳そば/風鈴そば/対馬にて/鴨がき/そば打ち/陰暦とそば・山茶始開
小雪:牡蠣/小春の膳/山芋
大雪:そばと河豚/出汁とり/陰暦とそば・閉塞成冬
冬至:冬至そば/そば雑炊/正月そば今昔その一/正月そば今昔その二/祝いそば/天ぬき
小寒:蕗のとう、野蒜/陰暦とそば・芹乃栄
大寒:あつもり/土の中の春を味わう/「あ三五」の台所
おわりに/料理索引
「はじめに」より
あ三五は十坪の狭い店。
おしゃべりで賑わう、
明るく、楽しい場として、
昭和五十年二月に開業した。 気がつけば五十年。
よく働かせて、生かしていただいたものだ。
一本のめんを汁で食すという単純さの中で、 人に、自然に、感謝する心が育ってゆくと思う。
カウンター越しにひろがる、そばと会話。
さて、今日はどなたのお越し……。
【著者紹介】磯部久生(いそべ・ひさお)
赤間茶屋「あ三五」店主
1975(昭和50)年2月15日、山口県下関市にて創業。
2005(平成17)年3月、現在地・福岡に移転。