図書出版

花乱社

『キリスト教の祈りと芸術:装飾写本から聖画像まで〈西南学院大学博物館研究叢書〉』

■内島美奈子・山尾彩香編
■西南学院大学博物館発行
■本体1000円+税/B5判変型/80頁 /小口折並製本
■ISBN978-4-905327-83-7 C0016
■2017.11刊
関連書:『信仰の歴史:キリスト教の伝播と受容』2016年刊
 『異国と福岡:江戸時代における長崎警備と対外交流』2016年刊
 『島原半島の信仰と歴史:一揆とその後の松平氏治世』2017年刊

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世界各地で興ったキリスト教芸術の受容と昇華。祈りの芸術を通して,信仰と布教の歴史を読みとく。貴重カラー図版65点掲載。
祈りのための聖書や祈祷書,キリストや聖母マリアを描いた聖画像,それらは信仰の証として,ときに権力の象徴として豪華に装飾され,高い芸術性を有した。信仰の基盤となる聖書写本にはじまり,中世ヨーロッパの信徒を支えた時祷書,15世紀の印刷技術の革新がもたらした宗教改革への影響,非キリスト教圏への布教活動における印刷本の役割など,世界各地で制作された祈りの道具を広く紹介し,信仰と布教の歴史をたどる。
【2017年秋季特別展図録/西南学院大学博物館・年2回刊】
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 祈るという行為は,あらゆる宗教において重要な儀式である。キリスト教では,祈るために,祈りの言葉が記される聖書や祈祷書,そしてイエス・キリストや聖母マリアを描いた聖画像などの様々な道具が生み出された。それらは,信仰の証として,ときには所有者の権力の象徴として豪華に装飾され,その中には高い芸術性を有するものもある。世界に展開するキリスト教圏では,道具を彩る装飾様式の変遷が,ひとつの芸術の歴史を物語る。本展覧会では,キリスト教の歴史的な流れとともに,世界各地で制作された祈りの道具をご紹介し,その芸術性に込められた意味や役割について理解を深めていただければ幸いである。

■もくじ
ご挨拶 西南学院大学博物館館長 後藤新治
 開催概要/凡例
第1章 信仰の芸術─聖書写本と祈祷書
 第1節 聖なる書
 【コラム】伝承されるヘブライ語聖書  佐藤友梨
 第2節 祈りの書
 【コラム】ベリー公の時祷書の世界─『トリノ=ミラノ時祷書』─ 山尾彩香
第2章 思想の広がり─印刷技術の発明と改革
 第1節 活版印刷と宗教改革
 【コラム】宗教改革と聖書 藤川学園非常勤講師 下園知弥
 【コラム】イギリスの宗教改革と英訳聖書 佐賀大学美術館学芸員 出口智佳子
 第2節 対抗宗教改革と布教活動
第3章 受容のかたち─世界の聖画像
 第1節 東方正教会の聖画像
 【コラム】イコノクラスム(聖像破壊運動)を越えて 西南学院大学博物館学芸調査員 宮川由衣
 第2節 布教活動と聖画像
用語解説/キリスト教史年表
論 考
「もの」としての聖書,「もの」としてのイコン 東北学院大学教授 鐸木道剛
 祈りの道具にみる聖と俗─時祷書を中心に 西南学院大学博物館学芸員 内島美奈子/藤川学園非常勤講師 下園知弥
 無原罪の御宿りにみる対抗宗教改革と布教のかたち 西南学院大学博物館学芸研究員 山尾彩香
 出品目録


■ご挨拶より
 2006年に開館した西南学院大学博物館は,本学の建学の精神であるキリスト教主義に則り,キリスト教文化に関する資料を収集しています。2016年には,開館10周年を記念して初めてのコレクション展「信仰の歴史─キリスト教の伝播と受容─」を開催しました。今回は2回目のコレクション展の開催となり,キリスト教文化における芸術面に焦点を絞っています。
 博物館の前身ともいえる干隈にあった神学部校舎の聖書資料室(1979年設置)や西南学院大学キリスト教資料展示室(1993年設置)の時代より収集してきた貴重な聖書などのキリスト教関連資料に加え,本学図書館の協力により充実した聖書コレクション,そして本展覧会で初公開となる装飾写本をはじめとした新たな博物館収蔵資料をご覧いただけます。
 本展覧会では「キリスト教の祈りと芸術」と銘打ったように,高い芸術性を有するキリスト教の祈りの道具が主役となります。キリスト教の聖典であり信仰の基盤となる聖書写本に始まり,中世ヨーロッパの信徒の祈りを支えた時祷書,15世紀にはじまる印刷技術の革新がもたらした宗教改革への影響,非キリスト教圏への布教活動における印刷本の役割,そして布教活動に伴い各地で興ったキリスト教芸術の受容と昇華,あるいは独自の伝統を継承する東方正教会の聖画像群。祈りの芸術を通して,キリスト教の信仰と布教の歴史を読み解きます。
 本展覧会の開催にあたって,本学博物館の活動にご理解とご協力を賜りました関係各位に厚く御礼申し上げます。
  西南学院大学博物館館長 後藤新治

 

■本文見本