『スタートアップのための法務・税務・労務パーフェクトガイド:知財戦略からIPO準備まで』
■著者:佐野 弘 星野悠樹 鈴木 亨
寳角 淳 佐藤克哉 安藤健一 高田 朋
■本体2600円+税/A5判/253ページ /並製本
■ISBN978-4-910038-91-9 C2034
■2024.5刊
■関係書:『必携スタートアップ企業 労務のチェックポイント徹底解説』
事業の立ち上げから新規上場を目指す準備まで、
ステージごとに各分野の7人の専門家(弁理士/弁護士/司法書士・行政書士/
公認会計士・税理士/社会保険労務士)が必須情報の把握と課題解決をサポート!
もくじ
IPOを目指すスタートアップの経営者へ
法務・税務・労務 専門家の役割とは?
第1章 Pre-seed stage :ビジネスモデルの構築
1-1 法人化の検討
1-2 複数の創業者で起業する場合の法的留意点
1-3 会社設立前の知的財産戦略 商標・特許等,意匠など
1-4 競合他社との関係や競合に関する法律的課題
第2章 Seed stage:プロトタイプを開発する
2-1 契約書の整備 取引先やパートナーとの契約書の整備など
2-2 社員を雇用する
2-3 社会保険,労働保険の適用
2-4 資産管理会社の活用
2-5 クラウドツールの選定
2-6 従業員または共同開発会社との知的財産に関する契約事項
第3章 Early stage <Series A>:収益モデルの確立
3-1 資本政策関連
3-2 ストックオプション
3-3 労務管理のポイント
3-4 知的財産の出願後の活用方法
第4章 Middle stage <Series B,C>:市場でのシェア拡大
4-1 新市場や新規事業の開始に伴う法律的課題
4-2 IPO前の労務デューデリジェンス
4-3 他社技術動向の監視
第5章 Pre-IPO:IPO(新規公開株式)を目指しての準備
5-1 監査法人の役割と選定
5-2 主幹事証券会社の役割と選定
第6章 New TOPIC:スタートアップ経営者が知っておきたい時事知識
6-1 知的財産権の取得の流れ
6-2 TIPS:2024年注目の法改正事項
執筆者紹介/事業所紹介
本書「IPOを目指すスタートアップの経営者へ」より
現代のビジネス環境は,時とともに変動し続け,経営者としての判断や方針が連日試される厳しいフィールドとなっています。特に新しい事業の立ち上げや新規市場への参入は,そのスリルとリスクを等しく伴う大きな挑戦です。そして,その中でもIPO(新規公開株式)を目指すという道は,極めて多くの課題やハードルに直面することとなりますが,それを乗り越えた先には大きな成果が待っています。
経営の舞台裏では,法律,会計,知的財産,労務,法人登記などの多岐にわたる専門的な領域が絡み合い,そこには複雑な手続きや未知の課題が数多く存在します。法制度もまた,常に変化しており,本書の後半では,2024年の法改正にも焦点を当て,今後のビジネスにおいてどのような影響が出るか,どのように対応すべきかについても触れています。
そこで,本書を通じて,これらの課題等を解決するための具体的な手引きを提供したいと考えました。そのため各分野で実績のある弁護士,公認会計士,弁理士,司法書士,社会保険労務士たちが集結して,これまでの経験等を元に,IPOを目指す経営者のみなさまへのガイドブックを執筆しました。
本書は,スタートアップの成長の各段階に焦点を当てて構成されています。アイデアが浮かんだ瞬間から,ビジネスが軌道に乗る中間段階,そしてIPOを目指す最終段階まで,一貫してサポートする内容となっています。各章では,そのフェーズ特有の課題やリスクについて解説し,成功へ の道を示すヒントやアドバイスも記載しています。
本書では特に,難解な専門用語や表現を避けるよう心がけました。これは,経営者のみなさまが日々の忙しい業務の中でも本書をスムーズに読み進め,必要な情報を即座に取得できるようにするためです。ビジネスの成功の鍵は,先人たちの経験と知恵を活かし,それを更なる新しい挑戦へとつなげていくことにあります。
最後に,IPOを目指すという大きな夢に向かい,日々奮闘する経営者のみなさまへ,深く敬意を表します。私たちの願いは,本書がみなさまの夢を成功へ導く道しるべとなることです。そして,スタートアップを成功へと導くためには,単に優れた製品やサービスを提供するだけでは不十分です。多くの法的,制度的障壁や課題を的確に乗り越え,その上でビジネスを展開する力量が求められます。各専門家と連携することがビジネスの成長にとって必要不可欠である,という点にも触れておきたいと思います。
本書にご協力いただいたすべての専門家のみなさま,そして何よりこの書籍を手に取ってくださった読者のみなさまに,心より感謝申し上げます。今後も,みなさまがスタートアップで成功を収められるよう,役立つ情報とアドバイスを提供していきたいと思います。
未来への挑戦を心より応援しております。
2024年4月 執筆者を代表して 社会保険労務士 安藤健一
【著者紹介】
佐野 弘(さの・ひろし)
弁理士/佐野国際特許事務所所長/日本弁理士会会員
国内特許事務所勤務を経て1996年に佐野国際特許事務所を開業,知財業界に約40年以上携わっている。
著書に『知財・特許業務 必携マニュアル』(共著,全日出版株式会社)がある。
星野悠樹(ほしの・ゆうき)
弁護士・情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)/八雲法律事務所所属/経営法曹会議会員
2015年に使用者側人事労務を中心に取り扱う杜若経営法律事務所へ入所。2022年にサイバーセキュリティ,個人情報・プライバシー,システム開発紛争対応を中心に取り扱う八雲法律事務所へ移籍。契約書の作成・審査,ビジネスモデルの適法性審査などのスタートアップ法務,人事労務,サイバーセキュリティ法務を主な業務とする。
著書に『教養としての「労働法」入門』(共著,日本実業出版社,2021),『実務解説 サイバーセキュリティ法』(共著,中央経済社,2023)などがある。
鈴木 亨(すずき・とおる)
司法書士・行政書士・宅地建物取引士/東京司法書士会会員(簡裁訴訟代理業務法務大臣認定)
1992年司法書士業界に入り,会社法人登記や不動産登記を中心に専門性の高い経験を積む。1999年司法書士鈴木亨事務所を東京中央区京橋で開業。30年以上にわたり,多数の会社法人登記,不動産登記及び相続関連業務に携わる。
100名を超える士業・専門家で構成されるプロ集団NPO法人SOS総合相談グループ理事。
寳角 淳(ほうずみ・じゅん)
公認会計士・税理士/株式会社ストリーム代表取締役副社長/税理士法人ストリーム代表社員
監査法人トーマツ,独立系コンサルティング会社を経て現職。会計監査,IPO支援,デューデリジェンス,M&Aや資金調達に関するアドバイザリー業務に従事。監査法人時代から一貫してベンチャー企業の支援をしており,IPO支援実績は多数あり。現在も主にIPO支援やM&Aアドバイザリーサービスに取り組んでいる。また,上場企業の社外役員も複数務める。
佐藤克哉(さとう・かつや)
公認会計士/株式会社ストリーム/税理士法人ストリーム シニアアソシエイト
2020年よりEY新日本監査法人にて上場企業の監査やIFRS導入支援などに従事。2022年に株式会社ストリームに入社。ベンチャー企業に対してIPO支援業務やFAS業務(株式価値評価,デューデリジェンス業務)を担当。上場企業に対する税務業務,決算早期化,アドバイザリー業務等に従事。
安藤健一(あんどう・けんいち)
社会保険労務士/安藤社会保険労務士法人代表社員/東京都社会保険労務士会会員
生命保険会社勤務(契約部及びシステム部)を経て2002年に安藤社会保険労務士事務所を開業。その後2016年に安藤社会保険労務士法人へと法人成りし,代表社員へ就任する。
著書に『就業規則作成マニュアル』(共著,大蔵財務協会,2008),『必携 スタートアップ企業 労務のチェックポイント徹底解説』(花乱社,2023)などがある。
高田 朋(たかだ・とも)
社会保険労務士/安藤社会保険労務士法人所属/東京都社会保険労務士会会員
2016年より現職。スタートアップの労務相談を中心に,創業からIPOまで会社の成長ステージに合わせた人事労務分野のコンサルティング業務に従事。IT系企業を多く担当し,ビジネスチャットツールを通じた迅速な相談対応を得意とする。各種クラウドサービスの設定依頼を受けることも多い。