図書出版

花乱社

『負け戦でござる。:北九州豊前国敗者列伝』小野剛史 著

■本体1600円+税/四六判/220ぺージ/並製
■ISBN978-4-910038-52-0 C0021
■2022年5月29日発行
■書評: 浦辺登氏書評 2022.12
   「西日本新聞」2022.5.30、「毎日新聞」6.2
■著書:『豊前国苅田歴史物語』
    『小倉藩の逆襲:豊前国歴史奇譚』

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豊前国はその歴史の中で、数多の敗者を生み出してきた。そのほとんどが、歴史の闇に埋もれかけている名も無き人物たち。
本書で紹介する12人の敗者たちの負け方は一様ではない。華々しく散った者もいれば、無様な最期を遂げた者もいる。豊前国で生まれた者、死んだ者、豊前国を通過した者。
12の物語は時代を超えて繋がり、豊前国史の実相が浮かび上がる。 



【目次】
第一話 藤原広嗣……天然痘ウイルスに翻弄され、左遷の地で反乱を起こした不比等の孫。
第二話 平 清経……源氏との戦を待たずに、フライング入水した平家の公達。
第三話 杉 重良……かつての領地・豊前国に戻って、主君・毛利輝元に反旗を掲げた旧松山城主。
第四話 宇都宮鎮房……豊臣秀吉の「転勤命令」を拒んだため、黒田長政に謀殺された「根生い」の武士。
第五話 後藤又兵衛……主君・黒田長政との確執で出奔、流浪の末に大坂の陣で討ち死にした猛将。
第六話 毛利勝永……関ヶ原の戦いに敗れて小倉城を追われ、大坂の陣では徳川家康を追い詰めた勇将。
第七話 細川興秋……父・忠興に反抗して大坂の陣に参戦するも、逃亡の末に父の命で切腹させられた若君。
第八話 佐々木小次郎……宮本武蔵に敗れたという以外、すべてが謎に包まれた剣士。
第九話 犬甘兵庫……曽根干拓プロジェクトを推進しながら、歌舞伎の世界で悪役となった小倉藩家老。
第十話 小宮民部……小倉城を焼いたことだけが喧伝される、苦難続きの幕末小倉藩を支えた家老。
第十一話 郡 長正……父が斬首されたうえに姓も奪われ、留学先の豊津で切腹した旧会津藩士。
第十二話 杉生十郎……旧秋月藩士と萩をめざす約束をするも、軟禁されて断念した旧豊津藩士。


 

【著者紹介】小野剛史(おの・たけし)

1956年,福岡県京都郡犀川町(現みやこ町)に生まれる。福岡県立豊津高等学校(現育徳館高等学校),熊本大学を卒業。苅田町職員となり,長い間,広報を担当。苅田町合併50周年記念誌『軌跡 かんだの歴史』(2005年)を編集・執筆。著書に『豊前国苅田歴史物語』(花乱社,2016年),『峠を出でて奇兵隊を撃て─幕末小倉藩物語』(幻冬舎,2017年),『小倉藩の逆襲─豊前国歴史奇譚』(花乱社,2019年),共著に『京築を歩く』(海鳥社,2005年),『図説 田川・京築の歴史』(郷土出版社,2006年)など。美夜古郷土史学校,かんだ郷土史研究会,苅田山城研究会の会員。