大隈言道研究 ささのや会
 
 
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【秋】 21首
初秋 昨日よりさらにも空の秋めきて 色かはり来し日影月影
三日月 初秋の梢を渡る風の上に 散るかと見ゆる三日月の影
杣月 立ち並ぶ杣山松を伐りしより 思ひもかけず出づる月かな
大路月 ただひとり夜更けてゆけば 行く月とわれとのものぞ 広き大路は
すすき うち招くわざのみならで 花薄 否みざまにも振るたもとかな
乱るればつくろひ変へて 萩の花 一夜にもとの錦なりけり
久留米柘植信厚七草園のうた
  纏ひあひて 尾花くず花なでしこの花にも咲ける朝顔のはな
女郎花 をみなへし今や盛りになりぬらむ 枝さへ花の色になりきぬ
並みたてる庭の木ごとになく蝉も 枝がくれする秋のやまかぜ
きりぎりす さしあへぬ衣ながらに秋更けて つづりとも言はぬきりぎりすかな
田家人来 田面よりわが門さして来る人の 近づかぬ間に誰と知らばや
そほづ よく見れば門田のそほづ いつもいつもそなたに人のあるここちして
なるこ 人なしと見ゆる山田の田廬より 思ひもかけず引く鳴子かな
市初雁 空せまく見ゆる市路は 見るたびに過ぎぬるあとの初雁のこゑ
山路牛 間なく散る木の葉被きて山路より出でくる牛のすごき夕ぐれ
山路 さをしかの遠ざかり行く影さへも 果てはなくなる山の細道
閑居松子落 目の前にひとつ落ちたる松の実の さらにも落ちず暮るる今日かな
山家 谷陰のここにかしこに片寄りて さびしかるべく見ゆる山ざと
  わが宿をここにもがなと みやこ人 言ひのみいひて住まぬやまざと
短日 なにをする暇もなしと 年ごとに日の短さを侘るころかな
九月尽 なにごとも限りと聞けば憂かりけり 秋を果てなる我が身ならねど
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