大隈言道研究 ささのや会
 
 
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【動物】 3首
おのが居る枝のゆらぎに身をはねて とほき梢にわたる山ざる
しぶしぶに馬鍬引く小田の特牛 打たれぬ先に歩めと思へど
ぼうふら 散り浮ぶ松の一葉におどろきて 蚊になる虫の沈む水底
白魚 上り得でかごに入りたる白魚は水の落せるいのちなりけり
蝸牛 そよといふ笹のさ音にひき入りてなきがらがほになる蝸牛
おやの身にのする子猫のおとがひもうつつなげなる身の寝ざまかな
帰りくるわが足音をきき知りていづる犬の子なにあたへまし
かもめ 波の上に身を投ぐばかりうち入りてやがてしづかに浮くかもめかな
鶺鴒 むらさめの晴るる空よりとくもきていまだかわかぬ庭たたきかな
さぎ 多々良川河の州崎にたたずみて長居の鷺のえもの無げなる
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